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2025.04.14
こもれび訪問看護ステーション

グリーフケア行ってきました

グリーフ…言葉にならない思いに寄り添うということ

       こもれび訪問看護からのグリーフケア

 

「ささやかな花束を手にして、今日もご家族のもとへ。」

「グリーフ」とは何か

松本クリニックグループでは、

「患者さんとそのご家族の生活に寄り添う 暖かい医療と介護を提供します。」

という理念のもと、日々の医療・看護・介護に取り組んでいます。

その中で、ご家族を見送られた方々と向き合う「グリーフケア」もまた、

私たちにとってかけがえのない時間です。

「グリーフ(Grief)」という言葉を調べると、

悲しみ、悲嘆、苦しみ、傷心、憂いなど、多くの訳語が並びます。

けれど、実際にご遺族と向き合っていると、

そのどれもが当てはまりそうでいて、

どれだけ並べても言い尽くせない感情に出会うことがあります。

ご遺族の声から感じたこと 

ある方は、悲しみというより「怒り」のような感情を口にされました。

「何度も“迎えにきてくれなあかんで”と伝えていたのに、まだ来てくれない」――

そう話すその姿に、深い愛情と寂しさがにじんでいました。

また別の方は、もっと違う選択ができたのではと、悔しさをにじませていました。

一方で、少し時間が経ってから「ようやく前を向けるようになってきました」と

語ってくださった方もおられます。

誰もがそれぞれの形で、故人への思いと向き合っている。

それがグリーフなのだと、私たちは学ばせてもらっています。

「ただ、そこにいる」ことの大切さ

私たちは、正しい答えを返すことも、正解を示すこともできません。

でも、そっと隣にいることならできる。

その人の声に耳を傾け、気持ちに寄り添うことならできる。

人生を閉じていかれた方への想いを、

ご家族がひとつずつ思い出として綴じていく時間に、

そっと寄り添う。

それが、私たちのグリーフケアです。

ご家族へ、そして看護を志す方へ

どんな経過も、どんな最期も、

ご家族がともに歩まれた日々には、その方だけのかけがえのない意味があります。

それは「ベスト」だったと、

私たちは心からお伝えしたいと思っています。

私たちのグリーフケアは、

もしかすると“ケア”と呼べるほどのものではないかもしれません。

けれど、たったひとつの花束を手にして、

もう会えない方の人生と

そのご家族への敬意を込めて訪ねる。

その姿勢と想いは、変わることはありません。

私たちはこれからも、

「患者さんとそのご家族の生活に寄り添う 暖かい医療と介護」を胸に、

静かに、そして丁寧に歩んでいきます。