スタッフ紹介

松本クリニック

松本院長

私の父(2016年永眠)が難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されたのが2008年。
それ以降、私自身が医療者側と介護者側の両方の立場の視点を持つことになりました。
その経験を活かし、八尾市を中心とした中河内地域で、在宅医療が必要となる患者さんとご家族のために、少しでもお役に立てればという思いから、「松本クリニック」を開院したのが2014年5月です。
開院してから9年で約1800名(2023年9月時点)の患者さんを在宅医療で診察させて頂き、約780名の方を在宅でお看取りさせていただきました。
今現在も、私を含めスタッフ一同、患者さんとご家族から、非常に貴重な事を日々学ばせて頂いております。
病院とは違い、在宅は「生活の場」であり、患者さんとご家族が主体であり、病気を抱えながらも、その人がその人らしく生活し、最期を迎えられることも可能な場と考えています。
また、在宅医療は、患者さんを支えるご家族も含めて寄り添う必要がある事を、私自身、父を介護していた経験からも痛感しています。

在宅という「生活の場」は、患者さんがその人らしく生きていくのには、これ以上の療養の場はないと思っています。
ですが、患者さんとご家族が、在宅で過ごすには、それなりの覚悟が必要になってくるのもまた事実です。
実際、在宅の現場では次のような声が聞かれます。
「自宅での生活、介護がこれ以上続けるのは厳しい、でも病院には行きたくない」「介護疲れが溜まっている。数日だけでもみてもらえないか」「身内に不幸ごとがあり、数日だけも医療、介護が整ったところに預かってもらえないか?」といった声です。
私自身の経験でも、主介護者であった母が介護疲れの限界に達して、父の在宅療養の継続が困難になったことがありました。そんな時にショートステイやレスパイト入院をさせて頂いて、なんとか父の9年間に渡る闘病生活をサポートすることが出来ました。

施設には色々な形式の施設がありますが、現在、国も薦めている、看護小規模多機能居宅介護(通称、「かんたき」「看多機」)が今後の地域包括ケアシステムの中心的な役割になると思っています。更に、このグループの看多機は、全国的にかなり珍しい、医療機関に併設している「看多機」であることから、看護、リハビリ、介護だけではなく、医師による医療的なサポート体制も整っています。

2020年11月八尾市南本町におきまして「看多機」事業を開始するに至りましたのも、このような自身の経験と現場の声から、患者さんをご家族とともに、住み慣れた地域で最期まで穏やかで温かい気持ちで過ごして頂くために支援させて頂こうと思い、全国的にも珍しい、クリニック併設型の「看多機ナーシングホームこもれび」をオープンさせて頂くことになりました。

更に2021年1月からはケアプランセンターの「こもれびケアプランセンター」ヘルパーステーションの「こもれびヘルパーステーション」が再開し、在宅に関わるほぼ全ての職種と事業が同一グループにそろっています。

医療、看護、リハビリ、介護に、「看多機ナーシングホームこもれび」といった、多職種多施設連携がグループ内で可能な松本クリニックグループとして、地域の皆様の在宅療養をサポートする為に引き続き貢献させて頂きたいと願っております。

2023年10月
松本クリニック院長
松本 伸治